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2024.05.09

CATEGORY: OKURADO コレクションについて

コレクションが生まれるまで~月の光~

大倉堂のジュエリーにはいくつものコレクションが存在します。

それぞれのコレクションによってできあがる過程は違っていて、創り出すのに時間を要しとても苦労するものもあれば、割とスムースにできあがるもの、あるいはデザイン画から立体のモデリングまで出来上がりながら結局商品にならなかったもの、など多々あります。

 

「月の光」というコレクションがあります。

大倉堂ブランドの立上げ当初からあるコレクションで、最も人気があるコレクションの1つです。今回はこの「月の光」が商品群としてできあがるまでの過程について当時を思い出しながら書いてみたいと思います。

 

 



 

 

なぜ「月の光」なのかというと、私自身「月」に対する強い愛着があるからです。

明るく燦燦と光る太陽もいいですが、たとえば雲のない夜に眺める満月の静かで力強い光、存在感に強く惹かれるものがあり、何か自分を見つめてくれ守ってくれている存在として「月」を感じていました。そして漠然とですがこの月の光の静けさ、人を見守ってくれる力強さを形にしたいと思っていました。

 

同時にこの月への思いとは別に、ダイヤモンドを光らせるための金属感を感じさせないセッティングについて常に考えていました。そして、メレダイヤ(小粒のダイヤモンド)だけで立体を造形すると、透明感のあるジュエリーができるのではないか、ということも頭の中にありました。

 

 

この「月の静かで強い光」→「最小限の貴金属でのセッティング」→「ダイヤモンドで形を作る」→「メレダイヤで球体を作ってみる」→「シンプルで輝くものができるのでは」という過程で思考が繋がっていきました。

 

私の場合、日常的に「好きなものやおもしろい形」、「美しい宝石」、「宝石のおもしろい留め方」、「日本らしいもの」、「綺麗な色、気持ち良い色の組合せ」、「面白いモチーフ」、「インパクトのある形」等々、気になるものを思いついたときにメモや写真に残してたくさん記録しています。そして時としてその記録したうちのいくつかが頭の中で繋がりコレクションのイメージベースができあがるのです。

 

 

「月の光」の場合は、①私の月の光に対する想い、②ダイヤモンドをより光らせる留め方、③メレダイヤだけ(貴金属は最小限で)で球体を作ってみる④透明感のある輝きのジュエリーになるのではないか が繋がっていったのです。

 

 

そしてこの段階でデザイン画を描き始めました。(私は多くの場合デザイン画を作図するのは最後の作業です。)ただ、デザイン画は描いたのですが、いざジュエリーにしようとするといくつか問題がでてきました。

果たしてどこにどの寸法の何個のダイヤモンドを使えば希望する球体になるのか。どこにどのくらいの爪を配置すればメタル感が少なく、強度も保つ留め方ができるか等々…

これらの問題を解決してくれるのはいつも強力なスキルを持つ大倉堂の職人たちです。

 

 

試作を重ねた後、ほどなく、第一号のリングが出来上がってきました。 

それはまさに私の思う「静かだけれども私たちを見守るように光る透明感あふれる月の光」で、ダイヤモンドの留め方は私の想像を上回るものでした。 

 

 

 

 

 

 

以降、形はシンプルですが製作の難易度は高いこのダイヤモンドの球体は、いろいろなデザインのバリエーションを有するコレクションへと育っていきました。

いつも私のあいまいなイメージを実物に仕上げてくれる大倉堂工房の職人技には頭が下がるばかりです。

 

いつかまた他のコレクションの出来上がる過程もご紹介したいと思います。

 

 

 

 

月の光コレクションより リング

*クリックでアイテムをご覧になれます

 

 

 

月の光コレクションより ピアス

 

 

 

大倉堂 OKURADO

大倉仁

 

 

 

 

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ジュエリー製作の三要素

 

デザイン画について

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