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2025.01.17

CATEGORY: OKURADO コレクションについて

「宿り木」コレクションが生まれるまで

 

大倉堂2025年の新作コレクション「宿り木」ができあがりました。

 

 

 

以前私がフランス滞在中に、田舎の長く続く一本道を運転していると、道の両側に並ぶポプラ並木の上部にこんもりと丸いものをよく見かけていました。それは、冬でも鮮やかな緑色に生い茂る「宿り木」でした。

 

少し前にその光景を思い出し、「宿り木」について調べてみると、日本でも西洋でも特別な意味合いを持つ植物であることを知りました。そのうえ、特に興味をそそられたのがユニークな葉っぱの形状です。長い曲線を描く葉とその真ん中にある実。

このモチーフをヨーロッパのジュエリーで見かけたこともありました。このユニークな形状は、大倉堂の職人であればより繊細により力強く造型できると考えました。

 

 

また、「宿り木」が古くから持つ「生命力」、「繁栄」、「幸福」、「絆」等の普遍的なポジティブなイメージも一層創作意欲を掻き立てるものでした。

実の部分は水晶の丸玉を、葉っぱの部分は以前ヨーロッパのジュエリーで見かけた、ダイヤモンドの中に緑色の石をドット模様に配したパヴェを、金属の部分は大倉堂職人が持つ洋彫りの技術(何本もの細いラインを金属の表面に彫り込み、彫ったところを光らせるというテクニックです。)を、と以前から使ってみたかった素材・技術の組み合わせが頭に浮かんできました。

 

 

 

 

葉っぱには洋彫りを、実の部分にはパールをそえています

 

 

 

 

 

 

このような、私のなかで温めていたいろんな素材、技術を組み合わせ、積み重ねていく過程を経て、そのうえにジュエリーとしての上品な造型、製作技術が重なり、1つのコレクションとなっていきました。

動物や植物などをモチーフとするジュエリーの製作は、使用する素材、技巧を選ぶ楽しさがあり、同時にブランドとしてのスタンスも表れるものです。

 

 

意味合いの深い「宿り木」の、ジュエリーとしての落とし込みの面白さを是非楽しんでいただきたいと思っています。

 

 

 

 

葉っぱにはダイヤモンドとデマントイドガーネットのパヴェセッティングを施しています

 

 

 

 

大倉堂 OKURADO

大倉仁

 

 

 

 

 

新作コレクション「宿り木」にご興味がございましたら、お問い合わせページよりご連絡くださいませ。お気軽にご質問等いただけたらと存じます。みなさまのご連絡、心よりお待ち申し上げます。

 

 

 

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フランス滞在中のエピソードです▼

異なる文化から受けたもの-その2-