今年、2024年で大倉堂を立ち上げて15年が経ちました。
こんなジュエリーを創ったら綺麗だろうな、この宝石とこの宝石を組み合わせてジュエリーを創ったら面白いだろうな、などのいくつかの小さなアイディアの芽から、ブランドの立ち上げが始まりました(立ち上げの経緯はまた別の機会にくわしく書こうと思っています)。ブランドのターゲット層や価格帯、ブランドカラーなど一切考えず、ましてや市場リサーチもしませんでした。
ただ、15年にわたりジュエリー業界に身を置く中で培った知識や審美眼を根幹に、自分が綺麗だと思う宝石を使い、綺麗だと思うデザインで、自社の工房で創ればきっとどこかの誰かが見つけてくれるだろう
そんな想いだけでスタートしました。
数年前から、私たち(大倉堂に関わるスタッフ含め)の行動を「言語化する」ことの必要性を問われ、考え始めました。「言語化する」ことで、当然のことながら、私たちのしていることや考えていることが、お客様を含む外の人達により伝わりやすくなります。私自身も、言語化された文章を見直すことで、いろんな場面でより統一感のあるアウトプットを創り出すにすることができるようになってきました。ただ、いざ言語化しようとするとそれは想像以上に困難な作業でした。
その理由は、例えば以下のようなことです。
・私が創ろうとするデザインは、「言語」からではなく頭の中の「イメージ」からスタートしている
・製作の各工程において皆それぞれ無意識で(ただ真摯に)やっていることが多く、そもそもその工程が言語化する対象である、と気づいていない
・自分がめざしていることや、やろうとしていることに適切な「ことば」が見つからない等々。
一年近くをかけ、周りのひとに助けてもらいながら、ようやく5つの項目からなる「MISSION」(大倉堂の使命)という形でまとめることができました。 私たちがどのようなアプローチで何をめざしているのか を表現する内容になっています。ご興味のある方は、ぜひ一度ご覧ください。
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「言葉」にしてしまった以上、一層引き締めてこの「MISSION」と向き合っていきます。ただ正直なところ、私が想うことすべてを「言葉」にすることはできませんでした。自分の語彙力不足もありますが、「言葉」にできなかった部分はこれからもジュエリーで表現していこうと思っています。
今年も拙いデザイナーズジャーナルにお付き合いいただき、ありがとうございました。
2025年も大倉堂は創り続けます。生み出されるジュエリーによって、少しでも皆様が穏やかな気持ちになっていただければ、これ以上の喜びはありません。
皆様にとって、よい年末年始となりますようお祈りしております。
来年も大倉堂をどうぞよろしくお願い致します。
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▲社会へ対する使命感についてのジャーナルです