国立新美術館で開催された李禹煥(リ・ウファン)回顧展を見に行きました。
李禹煥氏はソウル大学校美術大学入学後、来日。日本大学で哲学を学び、近年はニューヨーク、ベルサイユ宮殿での個展を成功させるなど世界で活躍されている美術家です。
正直なところ展示品のすべての作者の意図を理解はできませんでした。しかし、作品から来る圧倒的な存在感は、一種の荘厳ささえ感じられるものでした。
究極に無駄を省いた作品群ながら、その周辺には緊張感を与えており、特に終盤に展示されていたウォールペインティングは、部屋の中すべてを震わせるような緊張感、その場の空気を一瞬のうちに李禹煥の世界へ変えてしまうほどの存在感のあるものでした。
今回の図録の中に以下のような李禹煥自身のコメントが記されていました。
「真に(美術を)見ることは五感を作動させる行為である。・・・それが時に魂まで届く驚異的な五感の表現である。」
ただただシンプルな作品群に圧倒された回顧展でした。
対話―ウォールペインティン
大倉堂 OKURADO
大倉仁